1.不服申立て
申し立て先は社会保険審査官と社会保険審査会がある。
(1)不服申立ての流れ
行政庁が行った一定の処分に、不服がある場合、社会保険審査官または社会保険審査会に対して不服申立てをすることができます。
不服申立てには審査請求と再審査請求ががあります。
保険料等の賦課・徴収等は一審制の対象となる。裁判所に対して直ちに訴訟を提起することも可能。
社会保険審査会に対して、審査請求を文書又は口頭で行う。
↓
後裁判所に対して訴訟の提起をする。
被保険者の資格に関する処分、標準報酬関する処分、保険給付関する処分については二審制となり、審査請求を経た後でなければ訴訟の提起をすることはできない。
社会保険審査官に対して審査請求を文書又は口頭で行う。(この時点で訴訟の提起も可能)
↓
社会保険審査会に対して再審査請求を文書又は口頭で行う。
↓
裁判所に対して訴訟の提起をする。
※審査請求をした日から2カ月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
※被保険者の資格または標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることはできない。
2.時効
保険料等を徴収し、またはその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使できる時から2年を経過したときは時効によって消滅する。
権利 | 具体的な起算日 |
保険料の徴収権 | 納期源の翌月 |
保険料以外の徴収権 | 徴収すべき原因となった事実の終わった日の翌日 |
還付請求権 | 納付をした日の翌日 |
傷病手当金の請求権 | 労務不能であった日ごとにその翌日 |
出産手当金の請求権 | 労務に服さなかった日ごとにその翌日 |
出産育児一時金の請求権 | 事故発生の日の翌日 |
埋葬料の請求権 | 事故発生の日の翌日 |
高額療養費の請求権 | 診療月の翌月1日 |
療養費の請求権 | 請求権が発生し、かつ、これを行使し得るに至った日の翌日 |
移送費の請求権 | 移送に要した費用を支払った日の翌日 |
3.届出
事業主の届出は原則5日以内である。
被保険者の届出の一部は事業主を経由して行う。
(1)事業主が行う届出
適用事業所の事業主は、次に掲げる事項を保険者等に届出しなければなりません。
届出の種類 | 提出期限 |
被保険者資格取得届 被保険者資格喪失届 被保険者区分変更届 事業主の氏名等変更届 事業主変更届(変更後の事業主が届出) 新規適用届 適用事業所全喪届 特定適用事業所該当届 給付制限事由該当届 被保険者賞与支払届 |
5日以内 |
報酬月額算定基礎届(定時決定) | 7月10日まで |
報酬月額変更届(随時決定、育児休業等・産前産後休業終了時改訂) | 速やかに |
被保険者氏名変更届 被保険者住所変更届 |
遅滞なく |
事業主代理人選任・解任届 | あらかじめ |
(2)被保険者が行う届出
届出の種類 | 提出期限 |
①保険者の選択の届出 ②年金事務所の選択 ③2以上の事業所の勤務の届出 |
10日以内 |
④被扶養者届(事業主経由) | 5日以内 |
⑤介護保険第2号被保険者 不該当・該当の届出 | 遅滞なく |
⑥第三者の行為による傷病届 | 遅滞なく |
⑦任意継続被保険者資格取得申出書 | 20日以内 |
⑧特例退職被保険者資格取得申出書 | 3ヶ月以内 |
⑨任意継続被保険者・特例退職被保険者氏名・住所変更届 | 5日以内 |
3.罰則等
事業主に対する罰則には6カ月以下の懲役がつき、罰金の額も被保険者より高額となる。
対象 | 事由 | 罰則 | |
懲役 | 罰金 | ||
保険者の役員・職員等 | 健康保険事業に関して職務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らした。 | 1年以下 | 100万円以下 |
事業主 | ①被保険者資格・報酬等関係の届出について届出をせず、または虚偽の届出をした。
②資格得喪の確認等に関する通知をしない。 ③督促状の指定期限までに保険料を納付しない。 ④日雇特例被保険者の保険料を納付せず、または印紙の受払等の報告に関する規定に違反した。 ⑤立入検査等に関する規定に違反した。 |
6カ月以下 | 50万円以下 |
事業主以外 | 立入検査等に関する規定に違反した。 | 30万円以下 | |
被保険者 | 正当な理由なく、保険給付の診療内容に関する報告命令に従わない、当該職員の質問に対して答弁をせず、または虚偽の答弁をした。 | - | |
日雇労働者 | 手帳の交付申請に関し虚偽の申請をした。 | 6カ月以下 | |
手帳の交付申請をしないまたは手帳のを事業主に渡さない | - |
その他
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